わかりやすい文、うまい文
わかりやすくものを書く。実用書のようなもの。
うまくものを書く。いわゆる名著。
いずれか一つを選ぶ二択だと思う。
わかりやすくものを書くのは読む人の感覚めがけてストレートを投げるようなものだ。直接にものを指して、その必要性なりを訴える。
うまくものを書くのは行書で書道を書くようなものだ。
うまく書いてあるものを読みたい人は一語一語の感触に触れて感動できる。しかし、そうでない人には結局何が言いたかったの?となってしまう。直接は物事を指さずその過程を重要視している。
わかりにくいことをわかりやすく書くにはうまいやり方が必要だ。ただそうやって書いたものはうまい本(なり返事なりツイートなり)とは言われない。
ダイエット本と芥川龍之介を並べてどっちがうまい本か、名著かと訊いたら...訊くまでもない。
直球とは何かはもともと知っているから、わかりやすくものを書くには何回も何回も書いてみれば良い。
だけどうまい文章とは何かを僕たちはもともと知らない。だからうまい文章は何回も何回も読んでみる必要がある。どこで「はね」「はらい」「とめ」があるかを分析的に(無意識のうちであっても)捉えられるようになってから、うまい文章が書けるようになるのかなと思う。